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乾癬・掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

乾癬

乾癬(かんせん)は炎症性角化症という皮膚の病気に分類されます。皮膚では表皮が作られて、古くなったものが角質となり、剥がれ落ちていくということを常に繰り返していますが、この速度が極端に早くなってしまう病気です。

少し盛り上がった赤い発疹の上に、銀白色の鱗屑(りんせつ)が付着して、ポロポロとフケのように剥がれ落ちます。できやすい部位は頭、肘、膝の伸側、腰からおしりなど皮膚のこすれやすい部分ですが、爪などを含め全身のどこにでも起こりえます。

乾癬は日本人においては近年の生活習慣(食生活の西洋化など)の変化や、ストレスの増加など、さまざまな要因から患者数は徐々に増加しています。

乾癬の原因はまだ完全にはわかっていませんが、乾癬になりやすい遺伝的素因があることはわかっています。遺伝的素因に様々な環境因子(生活習慣やストレス、肥満、感染症などの病気、特殊な薬剤など)が加わると発症するといわれています。滴状乾癬は感染に伴って発症する場合が多く、抗生物質の内服により感染が終息すれば、多くの場合、数週間で治癒します。

乾癬の種類

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

乾癬の最も多くを占めます。頭、肘、膝など、こすれやすい部分や刺激を受けやすい部分によく見られ、全身に広がることがあります。爪にも症状が見られることもあります。

滴状乾癬(てきじょうかんせん)

小さな水滴程度の大きさの皮疹が全身に出現します。鼻、のど、歯など身体のどこかに細菌の感染病巣が存在し、それが悪化する時に起こることがあります。とくに扁桃腺炎がきっかけになることが多いようです。

乾癬性紅皮症(かんせんせいこうひしょう)

尋常性乾癬が全身に広がり、皮膚全体が赤みを帯びます。

膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)

発熱、倦怠感を伴い、急激に全身の皮膚が赤くなり、膿をもった水ぶくれが多発します。放置すると、全身衰弱などにより重篤な状態になることがあります。このタイプの乾癬は重症で、炎症症状が強く尋常性乾癬と病像が相当異なり入院治療を要することもあります。乾癬の中では最も少ない病型です。

関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)

関節症状がを合併したものです。皮膚症状に加えて、関節リウマチにように関節がはれたり、痛んだりします。

治療

軽症例:外用療法のみで治療することが多いです。

中等症~重症例:外用療法に加え、光線療法(ナローバンドUVBエキシマライトなど)、内服療法、生物学的製剤などの全身療法が併用されることが多いです。

乾癬は長年付き合っていく疾患ですので、治療も長期間にわたる可能性が高いため、同じ治療ばかり続けると薬の副作用が出てきてその薬が使えなくなってしまうことがあり、種々の治療を交代で変更して行っていくことが推奨されています。

外用療法

主にステロイドと活性型ビタミンD3(VD3)があります。基本的にはステロイドとVD3の2種類の外用もしくはステロイドとVD3の配合外用剤で治療を開始し、VD3のみに変えていくことが推奨されています。

ステロイド外用剤

ステロイドは長期にわたって外用すると皮膚がうすくなったりするため、いったん良くなったらVD3へ移行するか、ステロイドの量を減らしていくことが推奨されています。

活性型ビタミンD3(VD3)

VD3は長期外用による副作用が少ないので、いったん良くなった後、維持する治療に向いています。しかし、1日の使用量に上限があります。副作用は皮がうすくめくれたり、赤くなってしまうなどがあります。

ステロイドとVD3の配合外用剤

1日1回の塗布でステロイドとVD3の2つの外用薬を外用する手間がはぶけます。症状が強い時期から使うことができ、よくなってからの維持治療にはVD3に変更することが推奨されています。

シークエンシャル療法

朝はステロイド外用薬、夜はVD3外用薬と、1日のうちで両剤を塗り分け、症状の軽快に伴って、週末にステロイド外用薬、平日にVD3外用薬など、徐々にVD3外用薬の塗布割合を増やし、寛解維持期ではVD3外用薬単剤のみでのコントロールを目指しますが、外用薬のみではコントロール困難な方も少なくありません。治療はやや複雑になりますが、ステロイドの長期使用による副作用の軽減になります。

光線療法

乾癬治療には紫外線(UV)照射が、長年使われております。現在は簡便に使用できるナローバンドUVBやエキシマライトが主に使われております。原則として週に2~3回程度の通院が望ましいのですが、やむを得ない場合は週1回程度の通院で行います。症状が落ち着いてくれば治療回数を減らして行きます。治療を繰り返し続けていきますと少しずつですが、日焼けしていくことがあります。ご承知ください。

当院では広い範囲の病変の場合はまずはナローバンドUVB療法を行います。照射しにくい部分などはエキシマライトを加えます。基本的に全身エキシマライトのみの照射は行っておりません。治療期間は数ヶ月から年余に及ぶ可能性があります。

ナローバンドUVB(ナローバンドUVB治療参照

ナローバンドUVBは、UVBの中の非常に幅の狭い波長(311±2nm)の紫外線です。当院ではWaldmann社製ナローバンドUVB照射装置を導入しております。立位のままで頭頂部、手の平、足の裏を除く全身に一度で照射します。状態によっては照射量を変える必要がある場合には数回に分けて照射することがあります。照射時間は通常1回あたり1~3分程度です。

エキシマライト(エキシマライト参照

エキシマライトはナローバンドUVBより更に短いピーク波長(308nm±2nm)のUVB照射器です。病変部のみにピンポイントで照射できるのが特徴です。しかしナローバンドUVBより波長が短いため、当てた場所の日焼けは起こしやすくなります。また一度に小さい面積しか照射できませんので、範囲が広い場合は治療に時間がかかります。照射時間は1か所当たり短ければ1秒未満、長くて10数秒です。

内服薬

乾癬に保険適応をもつ内服薬(免疫抑制剤、角化症治療剤、抗炎症薬、抗アレルギー薬)全てを使用しております。それぞれ種々の副作用があります。患者様個人の状態に合わせて治療を行っております。定期的な血液検査などが必要になる薬剤もあります。

生物学的製剤

現在は6種類の注射薬が保険適応になっています。他の治療で効果が見られない患者さんが主な対象となります。

生物学的製剤による治療では副作用で感染症にかかりやすくなる可能性があります。その感染症のチェックがきちんとできる施設のみ投与可能となっており、当院近隣では遠州病院、浜松医大病院、磐田市立総合病院で治療が多く行われております。当院では行っておりません。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手掌、足底に膿を持った水ぶくれ(膿疱)ができる皮膚の慢性疾患です。膿疱とともに赤い斑点や鱗屑というカサカサしたフケのようなものが現れます。長期にわたり良くなったり、悪くなったりを繰り返します。爪周囲の病変では爪が変形し厚くなります。また特に胸鎖肋関節炎と呼ばれる関節炎を引き起こし、胸骨、鎖骨、肋骨などに痛みを感じることがあります。

原因として、慢性病巣感染(慢性扁桃腺炎、虫歯、歯周病、中耳炎、副鼻腔炎など)、喫煙、歯科金属などに対するアレルギー説など様々な原因が指摘されていますが、確定的なものは今のところありません。金属が原因として疑われる場合は金属パッチテストをお勧めします。

治療

外用剤はステロイド外用薬、ビタミンD3外用薬を使用します。紫外線療法:ナローバンドUVBエキシマライト)も保険適応のある治療法です。慢性の咽頭炎や扁桃炎などがある場合にはマクロライド系やテトラサイクリン系の抗生物質の併用する場合があります。重症例には乾癬と同様の内服薬も検討します。しかし掌蹠膿疱症に適応をもつ薬剤は限られてしまいます。

喫煙者には禁煙をお勧めします。虫歯、歯周病などの治療をすると良くなることがあります。関節痛には非ステロイド系消炎鎮痛剤も併用します。

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おおしま皮膚科について

おおしま皮膚科は2008年に静岡県浜松市東区宮竹町で開院した皮膚科医院です。これまでの経験を活かし、地域の皆様方のお役に立つよう努力してまいりたいと思います。皮膚についてのどのような小さなトラブルでも、どうぞお気軽にご相談ください。

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